展示・イベント

室礼展 OfferingsⅤ〜Original Memory〜

概要
作家・主催者 【版画】)鈴鹿芳康【木工芸】中川周士【写真】シーズン・ラオ/北義昭/佐伯剛/大山行男/ジョン・アイナーセン【金属彫刻】志村高弘/藤原昌樹【絵画】廣海充南子/榊和也/島上直子/南英登【陶芸】うらゆかり/山本哲也【ガラス】神代良明/小曽川瑠那【人形】面屋庄甫【造形】コウノシゲコ【漆工芸】土井宏友【3D画像システム】森田青樹【挿花】賀幡圓定
期間 2019年4月1日(月)~5月6日(月)
時間 9:00~18:00
備考 版画・写真・木工芸・絵画・ガラス・漆工芸・陶芸・人形・造形・金属彫刻・3D画像システム


レポート

春の展示、室礼展。今年は総勢22名の方にご協力頂きました。
一つの空間を、ジャンルの違う数人の作家でコラボレーションをし、町家の「室礼」に向け作りあげる面白さ。
どうぞ入口から順にご覧下さいませ。


■土間・小上がり
春の風が優しく通り抜ける入口。
小上がりには、富士に重なる太陽が、皆様のお越しをお迎え致しました
・志村高弘(金属彫刻)森層心理/package2018_1/package2018_2/ackage2019_1
・シーズン・ラオ(写真)KURAMA,KYOTO,JAPAN/HOKKAIDO,JAPAN
・北義昭(写真)原始の記憶、Primal Mement
・大山行男(写真)ダイヤモンド富士
・うらゆかり(陶芸)華
・賀幡圓定(挿花)

 

金属彫刻 志村様は今回の展示で初めて木の素材を作品に取り入れ、今までとは違う試み。うら様の真っ白な作品は夕刻になると西陽がさす事で色味が変わり、ランプの様にも見えました、影が美しくアートに変わります。


■入口の二間・坪庭・廊下
金属とガラス。異質の素材によって生み出される空間
・榊和也(絵画)re-sonante
・土井宏友(漆工芸)
・神代良明(ガラス)Breaking Composition #7
・藤原昌樹(金属彫刻)テツノネ
・中川周士(木工芸)杉柾合わせ大盆
・北義昭(写真)原始の記憶、Primal Mement

表面と中の質が全く別の様に見えるガラス作品。二層に作られた特殊な技法。


■一階喫茶ルーム・床の間
・うらゆかり(陶芸)華
・鈴鹿芳康(版画)般若心経(The Heart Sutra)
・小曽川瑠那(ガラス)闇の残像
・賀幡圓定(挿花)

    

版画で表現された般若心経。
生花と造花が施され、生花は日が経つごとに鮮やかな緑色から茶色へ変化していきました。
生きているものは枯れていき、いつまでも変わらない造花は、美しく枯れていく命限りあるものを羨ましく思うのかもしれません。


■縁側・奥庭
・島上直子(絵画)HistoricalⅡ
・藤原昌樹(金属彫刻)テツノネ


日差しが注ぐ縁側に飾られた絵画は、室礼展の為に描かれました。
線の細い金属を三角錐にして繋ぎ合わせた作品。存在感と抜け感が、奥庭と絶妙なバランスです。


■階段
町家の壁を飾る絵画
・南英登(絵画)青いビーバー

 
描かれる絵は、いつもビーバーだそうですよ。


■茶室
富士山麓に広がる大自然を、駆け回る妖精たち
・大山行男(写真)富士と北極星
・中川周士(木工芸)杉柾合わせ高台盆/HOKORA
・面屋庄甫(京人形)萌え/森に遊ぶ

 

アスパラは、竹の様にグングン真っ直ぐと成長が早いそうです。
子供の成長もアスパラの様にスクスク伸び伸びと育ってほしい未来への願い。木工芸 中川様の高台盆は、真上から見るとまさに富士山!


■和室
蓮池に月がかかる静寂な世界
・ジョン アイナーセン(写真)蓮池
・山本哲也(陶芸)
・土井宏友(漆工芸)


写真 蓮池の掛け軸と、陶芸 蓮の花と化した花器。


■天高の間
長い年月を重ねる事で変化していく、その姿
・北義昭(写真)原始の記憶、Primal Mement
・土井宏友(漆工芸)


今回の展示では動物シリーズの写真になりますが、物体の一部を捉え撮り続ける北様。
写真に収めた物体には必ず手で触れ、質感を確かめられるそうです。
触れた質感が表せる様、写真に起こす時にもこだわるとの事でした。
土井様は、子供の頃から修繕工事の現場で釘を拾い集めていたそうです。釘は1800年代のもの。
その釘を作品にしようと、漆を染み込ませた縄を釘に巻き付けています。
生き物の皮膚は老いていき、綺麗だった釘は錆びていく。長い年月がそこにはあります。


■天高横の間
全てのものには、その存在の起源がある
・廣海充南子(絵画)五大曼荼羅 「水」
・コウノシゲコ(造形)連続と永遠
・佐伯剛(写真)雲ヶ畑

雲ヶ畑は京都 加茂川の水源地。
コウノシゲコ様の作品は羊水に浮かぶ胎児と、その羊水が上へとあがっていく様。
水をテーマに描かれた曼荼羅と。


■縁側
レンズを覗き込むと、内蔵されたフィルムが立体的に見える不思議
・森田青樹(3D画像システム)
・土井宏友(漆工芸)
・北義昭(写真) 原始の記憶、Primal Mement

機械に内蔵されたフィルム写真。
レンズを覗くと立体的に浮かび上がる様に見え、現実の世界が目の前にある様な臨場感を体験頂きました。
この不思議な装置はオランダの小さな会社が作っているそうで、今回の展示に取り寄せられました。
実は3D写真は19世紀に作られ、50~60年代にはアメリカで流行っていたそうです。
その古い歴史に驚きました。


   
来年もどうぞお楽しみになさって下さいませ。