展示・イベント

室礼展-Offerings-IV

概要
作家・主催者 【写真】鬼海弘雄/ 大橋弘/ 鈴鹿芳康/ ジョン・アイナーセン/ 佐伯剛【木工】中川周士【陶芸】うらゆかり/ 片山雅美/ 山本哲也/ 生駒啓子【挿華】賀幡圓定【彫刻】藤原昌樹【ガラス】杉江智/ デニス・グイドーネ【絵画】廣海充南子/ 田中ますみ【漆】栗本夏樹/ 染谷聡【京人形】面屋庄甫【京表具】井上雅博【造形】河野滋子【革立体】河野甲【煎茶道具室礼】和田浩美
期間 2018年4月14日(土)~5月13日(日)
時間 9:00~18:00
備考 写真・木工・陶芸・挿華・彫刻・ガラス・絵画・漆・京人形・京表具・造形・革立体・煎茶道具室礼

レポート

お陰様で好評のうちに終了いたしました室礼展。沢山の方にお越し頂き有難うございました。
今回で4回目を迎え、毎年色んなジャンルの作家様にお集まり頂き、ご協力頂く作家様とのご縁に感謝の気持ちで一杯です。

毎回趣向をこらして町家に心地よく配置される作品たちは、室礼展ならではのコラボレーションが生まれます。町家にお越し頂いた皆様には、足を運んでみなければ分からない魅力と面白さを感じて頂けたのではないでしょうか。


■土間
鈴鹿芳康(写真)×中川周士(木工)「圓通寺 借景庭園 春」「圓通寺 借景庭園 秋」
鬼海弘雄(写真)「PERSONA」
生駒啓子(陶芸)
賀幡圓定(挿華)
■小上がり
鬼海弘雄(写真)「PERSONA」
賀幡圓定(挿華)

土間では筒状の陶器に生けられた植物が、綿帽子の姿を見せる場面もあり、圓通寺 借景庭園に自然と溶け込む様でした。
小上がりでは、おばあちゃんが笑顔で迎えてくれます。
母の日が近くなった頃、おばあちゃんの側には生け花の代わりに花で作られたケーキとフォークが置かれ、挿華 賀幡圓定の粋な計らいが見られました。


■見世の間・坪庭横の間
大橋弘(写真)「サトイモ」
うらゆかり(陶芸)「環」
■坪庭
藤原昌樹(彫刻)×うらゆかり(陶芸)「クウノネ」

自ら畑を手に入れてサトイモを育て、土に隠れたサトイモの美しさに魅了された写真家 大橋弘。
ポコポコ膨らみが連なる不思議な陶芸作品と、ダイナミックな彫刻のコラボレーションが坪庭に存在感を現しました。


■床の間
鬼海弘雄(写真)「PERSONA」
山本哲也(陶芸)「空」
杉江智(ガラス)「form Ⅱ」
■縁側
中川周士「朱の衝動」
河野甲「オオゴマダラ」
■奥庭
中川周士「はっぱ」

奥庭に掛けられた簾は東からの朝日により、はっぱ型の影を縁側に映し出しました。風が町家に通り抜ければ木が重なり合い、優しい音を生み出して心が癒されるお楽しみもございました。


■階段
田中ますみ(絵画)「赤と緑の円」

アウトサイダー・アート。
繊細な感性とエネルギー溢れる絵画は、もの凄い集中力で描かれたそうです。


■二階茶室
鈴鹿芳雄(写真)×井上雅博(京表具)「祈りの形」
杉江智(ガラス)「さざなみ」「かざなみ」
染谷聡(漆)「ん」
面屋庄甫(京人形)「静韻」
賀幡圓定(挿華)
【煎茶道具】和田浩美、栗本夏樹、近藤高弘、八木明、稲澤隆生、中川周士、土井宏友、山本哲也、鈴木祥太


煎茶の間。
陶芸、漆、京人形など、それぞれの分野で活動される作家達の作品が集結し、おもてなしの演出が完成されました。また、普段は煎茶道具を制作しない作家が、今回の展示の為に初めて道具を創られた事も、見所でした。


■二階座敷
John Einarsen(写真)×井上雅博(京表具)
面屋庄甫(京人形)「しめじ飾り」
片山雅美(陶芸)「夕陽」「歩む」

 

床の間には、雨降る美しい波紋(掛け軸)の下で、亀が顔を覗かせる演出も見られました。こちらの間では、立礼式の煎茶の様子も皆様にご覧頂けました。


■天高の間
鬼海弘雄(写真)「PERSONA」

PERSONAシリーズ「笑い上戸の女」「28年間、人形を育てたという女」などと、人に好奇心を寄せた写真が並びます。


■板間
佐伯剛(写真)「熊野 神倉神社 ゴトビキ岩」
コウノシゲコ(造形)「人こその「祈り」のそれぞれ」
廣海充南子(絵画)「万物縁起曼荼羅 -森羅万象-」

生命の在り方が空間に広がった間。
フリーハンドで描かれた曼荼羅の中心部には、子宮の中で生まれた命の姿も見られます 。


■縁側
栗本夏樹「緑淵」「音を奏でる色」

奥庭からの陽射しが作品を照らし、漆の艶と質感をより美しく映し出しました。
鮮やかな色味で表現された作品は、「漆の冒険」と栗本様は仰せでした。


■防空壕 西
藤原昌樹(彫刻)×うらゆかり(陶芸)「クウノネ」
■防空壕 東
佐伯剛(写真)「熊野 丹倉神社」
廣海充南子(絵画)「不動明王」

光が閉ざす空間に、静かに佇む彫刻と陶芸のコラボレーション。
一方、東の防空壕には落ち葉が敷き詰められ、殺風景な二つの地下の空間は、それぞれ違う五感に響く空間となりました。


各作家紹介もご覧頂けます。宜しければ覗いてみて下さい。https://kazesaeki.wixsite.com/shitsurai

また来年も、どうぞお楽しみになさって下さいませ。