展示・イベント

光象展

概要
作家・主催者 【陶芸】阿久根尚/大杉康伸/柏木円/阪本航/福森雅武/福森道歩/山中恵介【彫刻】岸野承【紙】嘉戸浩【ガラス】佐藤聡【京金網】辻徹【木工】川合優【表具】藤田幸生/山本達也【彩色】廣戸一幸【友禅】陣内久紹【紬織】陣内章代【庭】北山浩士【大工】苦瓜幸成【生花】植松賞月斎【絵画】平川功/高橋涼子
期間 2020年3月6日(金)~8日(日)
時間 9:00~18:00 ※最終日は16:00まで
備考 陶芸、彫刻、紙、ガラス、京金網、木工、表具、色彩、友禅、紬織、庭、大工、生け花、絵画

 

レポート

毎日テレビやネットでコロナの事が取り上げられる今日ですが、光象展3日間、お越し頂いた皆さま有難うございました。
今年は22人の作家が出展され、期間中はほとんどの作家が在朗されます。
大変な時期ではありますが、作品のファンである方々はこの機会に足を運ばれる方も多く、お客様が楽しみにしておられた光象展の魅力を、今年は特に強く感じた3日間でした。

地位や名声に関わらず、物を作る高い志。その意志を発表できる場として、出展作家は関西圏だけでなく、長野県や北海道からも参加されています。
毎年この会のために制作されるので、その技術のお披露目としても、普段造られる作風以外に、光象展だからチャレンジされた作品もご覧頂けます。

今年、表具の藤田幸生さんは、試みで敷台と瓶子を制作されました。
鉄を曲げて唐草模様の土台から作られています。和紙で覆われた瓶子なので水を入れる事はできませんが、代わりに薄暗くなれば中に灯りを灯されていました。
敷台も瓶子も「こんなんしたん初めてで・・」と仰っていました。
初めてなのに出来る、技術の応用に驚いてしまいます。


拭きガラスの佐藤聡さんは毎年毎年、違った作風を見せて頂けるのですが、今年はプクプクした膨らみのある花器を中心に展示されました。
土台に溶けた熱いガラスを引っ付けて、中から吹く。すると熱いガラス部分がプク~と膨らんでいく。加減を見ながら調整し、その繰り返しにより制作された花器。
「光象展だから、やってみたい事が自由にできる」と仰せでした。

 

体に沁みついた根本にある技術や感覚があるからこそ、応用しチャレンジしたものが形になるんですね。。。


絵画の高橋涼子さんは、絵を描くにあたりご自身の髪の毛を筆にして描かれる作家さんです。
この技法をずっと継続されていらっしゃるのですが、何故?て思いませんか?
北海道の根室を拠点に制作活動されています。根室に向かう車窓からは、線路近くに鹿の家族が普通にいたり、最東端の海では野生のアザラシも見える所です。
日本列島の中で陽が一番早く落ちるので、冬の3時過ぎには空の色が夕方を感じさせる色になる事に驚いた事があるのですが、そんな大自然を感じる環境で制作されている高橋さん。
大自然の影響も大きく、描くにも自分の体の一部。体の延長線で描きたい思いから、自身の髪の毛を筆とされました。
今回展示された刺繍作品。植物のオブジェ。これらも髪の毛を用いられています。


光象展では唐紙師がつくる見惚れる程の綺麗なカードや扇子、木からエネルギーを感じる彫刻作品。食卓に並ぶ陶芸食器など手に取りご覧頂けます。
普段ガランとした坪庭は、庭師さんにより演出されました。

 

あらゆるジャンルで、作家が真剣に取り組み挑戦し続ける数多くの作品。
次回の光象展もお楽しみになさって下さいませ。