展示・イベント

Colors of KCUA「間 間 」京都市立芸術大学芸術学研究室による総合選抜展  

概要
作家・主催者 京都市立芸術大学芸術学研究室
期間 2018年3月10日~3月25日
時間 9:00~18:00
備考 【出展作家】金子紗彩/澤あも愛紅/新平誠沫/西原彩香/堀奏太郎/松井照太/松本悠/宮本賢吾/山田真実/山本紗佑里

レポート


京町家という生活に近接した空間で、一人一人が学ばれた事、表現されたい作品を地下防空壕、1階2階と町家全体を使い展示して下さいました。

土間には油画専攻3年 堀 奏太郎様が絵画作品に立体を取り付けたイリュージョン作品が大きな存在感を醸し出し、そこから町家の中を見渡せば彫刻専攻4年 松井 照太様が自然の物と人工のものを組み合わせ【静】と【動】を表現されました。

町家に上がり坪庭に通じる板の間には絵画専攻油画 修士1年 澤 あも 愛紅様が独自の四次元という次元をイメージされ表現された油画が宙を浮かぶかの様に展示され、奥の畳の間(床の間)には絵画専攻版画 修士2年 松本 悠様が日常・メディアをテーマに作られたドキュメンタリー映像と岩板による絵画が、そこから眺める中庭には絵画専攻油画 修士1年 西原 彩香様が落書きをするよう色とりどりの物たちを配置されました。
二階へ進むとお茶室には油画研究領域 博士 新原 誠沫様が相対するものをモチーフにしそれぞれを重ね合わせて描かれた1600cmもの大きな作品が広く備えられた床の間を飾ります。
そのお隣の中庭から朝日が差し込む畳の間には版画専攻 4年 山田 真実様が4枚の濃淡の異なる版画を一面に展示されました。ご自身のご実家のお着物をモチーフに描かれた版画は懐かしく儚いようにもあるが、どこか明るく希望にも感じ取ることができました。
天井の高い板の間には工芸専攻染織 修士 1年 山本 紗佑里様がアイヌの神謡集を呼び起こすかのように壁面と空間に吊るされたモチーフ、染色された襖で一間を表現され、歴史とこれからを考えさせてくれる作品となりました。

地下防空壕には絵画専攻構想設計 修士2年 金子 紗彩様が「一番の幸福とはなんだろう」というテーマで時の流れや生活、景色を映像にし8分弱の映像を流されています。防空壕という空間との関係性も面白い作品となりました。

奥の防空壕には構想設計専攻 3年 宮本 賢吾様が天地逆転の空間を作りあげられました。一見不安定にも感じとれる状況ですが何故か安定して感じとれる展示になりました。

それぞれの空間を思いのまま存分に表現されたエネルギー溢れながらも沢山の想いを感じ取れる作品展となりました。