展示・イベント
祈り
- 概要
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作家・主催者 呑海 龍哉 期間 2022年3月20日(日)~2022年4月3日(日) 時間 9:00~18:00 備考 ■写真
■呑海 龍哉
■プロフィール
京都在住のフォトグラファー、建築家、インテリアデザイナー。
幼少期より絵画を学び、京都工芸繊維大学で建築を学ぶ。
建築の設計では非日常的な空間を突き詰め、その反動からか写真では日常的なものに興味を抱き、日常の美しさを写真収める今のスタイルになった。
また、絵画や建築的なバックグランドも写真の視点や構図に影響を与えている。
アルバート・ワトソンから直接写真を学んだことで非常に大きな影響を受け、京都のみならず海外への撮影活動も積極的に行っている。
■経歴
主な展示会
2012年2月 「小粋な京都」京都ロイヤルホテル&スパにて写真個展
2013年2月 「ASIAN DAILY LIFE」京都ロイヤルホテル&スパにて写真個展
2013年8月 「京都時間」京都ロイヤルホテル&スパにて写真個展
2014年5月 「眼差し」ほんやら洞にて写真個展
2015年5月 「ホテルという小宇宙」八文字屋にてスケッチ個展
2016年2月 「夢の続き」奈良市写真美術館にて写真個展
2016年4月 「夢の続き」Photo Gallery Artisan Japanesqueにて写真個展
2016年5月 「京都夢物語」同時代ギャラリーにて写真個展
2016年5月 「京都夢物語」恵文社一乗寺店にて写真個展
2016年11月 「BHUTAN DAILY LIFE」Photo Gallery Artisan Japanesqueにて写真個展
2017年1月 「京都夢物語」レティシア書房にて写真個展
2017年5月 「SLI LANKA WONDERLAND」京都写真美術館にて写真個展
2017年7月 「京都夢舞台」鍵屋ギャラリー・空にて写真個展
2017年9月 「ホテルから始まる夢の旅」鍵屋ギャラリー・空にてスケッチ個展
2017年12月 「ホテルから始まる夢の旅」恵文社一乗寺店にてスケッチ個展
2018年5月 「SPIRIT OF KYOTO」パリ GALLERY METANOIAにて写真個展
2019年4月 フランス サンリス「SENLIS ART SACRE」に出展
2019年5月 「SPIRIT OF KYOTO」ロンドン ART HILL GALLERYにて写真個展
2019年7月 「ブータン 祈りの大地」レティシア書房にて写真個展
2020年1月 パリ COMBES GALLERYにてSENLIS ART SACRE受賞展
2019年5月 ロンドン ARTHILL GALLERY「SPRIT OF KYOTO」展
2020年9月 THE TERMINAL KYOTO 「SPRIT OF KYOTO」展
受賞歴・掲載
・フランス サンリス「SENLIS ART SACRE」
・GALLERY AUP(COMBES GALLERY AWARD)賞受賞
・NTT西日本 Clip clip onでお散歩写真家の匠として紹介
著書
「京都夢物語」
「ホテルから始まる夢の旅」
レポート
2019年に京都をテーマにした「SPIRIT OF KYOTO」を展示された呑海さんが、再び町家で展示を開催頂きました。
旅が大好きな呑海さんは、まとまったお休みを使って旅をされます。
今回は約20年に渡り、海外で撮り続けてきた写真の中からテーマを「祈り」とし
生活と一体化している祈りの模様を、呑海さんの言葉を添えてご紹介させて頂きます。
■土間(ブータン)
標高3000mを超える峠を、現地のガイドと一緒に4つ超えた時、真っ赤な旗を揚げた村が見えてきたんです。そこに、そんな景色が広がっている村がある事は知らず、偶然に。
旗には1枚1枚ハンコで押された、祈りの文字が書いてあり、旗が風になびくとお祈りした事になります。
真っ赤に染まった村が印象的だったので、この祈りの旗を再現したかったんです。
ブータンの人々は食物・大地の恵みにすごく感謝されます。
彼らの生活はとても質素ですが、余分なものがなくチベット仏教という拠り所があるので、とても穏やかです。
■防空壕西(ブータン)
輪廻転生」をテーマにした空間。
室内をぐるっと一周囲むように、大地から生まれて大地に戻るストーリーを展示されました。
現世でお祈りをして徳を積む。
毎日お祈りする事で、次生まれ変わった時には地位が高いお坊さんに生まれ変わると信じているんです。
祈る事を怠ると、来世は虫になるかもしれないから虫は殺さない。そういう言い伝えを信じています。
それと、穀物を植えて種になり、またその種を植える。その循環が人間と似てると思います。
遺骨は、火葬した後に遺灰を粘土と一緒にこね(100個以上)、それを色んな所に置いて、やがて自然の土になっていく。親の遺骨を持つことはないんです。
そういった大地に戻ってグルグル回っているのを表現しました。
■防空壕東(バリ)
高い山に雨が降り、地下にもぐってバリのウブド郊外にある、ティルタ・ウンプル寺院に地下から湧き出る聖なる泉があります。
満月の夜になると村人総出で、この聖なる泉に入り祈りを捧げます。
一心不乱にお祈りしている少女に目が留まり、時間が止まったように感じる美しい光景で写真を撮りました。
■喫茶ルーム床の間(ブータン)
ラマを持ちながらお寺の周りを何周も歩いた信者達が、椅子に腰を掛けて休憩中の写真。
その下には、土間で展示された赤色の旗はレプリカですが、実際の村にはには1枚づつにハンコで押された旗が並び、約90年前の版画の原画を展示されました。
■二階(各国)
祈りには国境も言葉も関係ない。純粋な祈りは尊い物だという事を伝えたくて、各国の様々な宗教の祈りを表わしました。
子供が祈りのランタンを川に流す写真。
その下に、ベトナムにも曼荼羅の文化があり、マーブルマウンテンという大理石で出来た山で取れた大理石で出来た曼荼羅を展示。
■天高(チェンマイ)
ランタン発祥のお寺、パンタオ寺院。そこでは大晦日の日に宗呂たちが世界中の言葉(タイ語・英語・フランス語、ドイツ語・・)で世界平和を祈った後、ランタンを上げます。
参列者、そして町中で何万というランタンが年越しに上がり、星の様に夜空が輝いていたそうです。
作品ではブータンを中心に、何もない国だけれど、私達が忘れてしまった生きるための本質があるように思うと仰っておられました。
願い・感謝・安らぎ・自身との対話など祈りには宗教の壁がない。毎日何回も捧げる彼らの純粋さを肌で感じられ、本当の豊かさとは物質的なものでなく心の豊かさであると、旅を通して強く感じられた呑海さんでした。