展示・イベント

Williams College Winter Program 2018 成果報告会

概要
作家・主催者 Williams College ×monomo株式会社
期間 2018年1月19日
時間 18:00~

レポート

ウィリアムズ大学8名の学生が、 京都滞在中に受けられた講義・体験について報告会が行われました。
お昼間のリハーサルでは緊張されてか、または準備した内容についてか、ある生徒さんは涙を流す一場面がありましたが、本番ではそんな事を一ミリとも感じさせない堂々とした発表をされておられました。2人1組で行われた発表の一部をご紹介させて頂きます。


能について
演目を見に行かれる前日、町家にて見るポイントを学ぶ講義が行われていました。
●扇の持ち方。足の動き。拍子に合わせた手を叩くリズム。講義を受けてなければ演目を見ていても気付かなかったと思う。大変深い経験になりました。
●能舞台を作る時、国から援助がある事を知り驚きました。「伝統:国」は支え合っている様に感じました。
●昔の時代と比べると、表面的な所に変化が見られます。例えば、
*能面の髪。昔は人間の髪を使用していたが、現代はショートヘアや色を染める行為などで使用が難しく、ベトナムから仕入れている。
*蝋燭を灯し、影の揺らぎさえ楽しんだ時代から、現代は電気による光りへの変化。
*グローバル化により、字幕が必要となってきている。演者はパフォーマンス中、それに気を使う事もあるそうです。
●これら表面的な事は変化しているが、能の真髄はこれからも変わらないのだと思います。
真髄とは経験・場の持つ力・雰囲気。一生をかけて鍛錬し表れる「言葉を越えたもの」だと思います。
●能楽師の方は、心を込めて自分のベストを尽くし演じておられた。これは能だけでなく、他の伝統工芸も同じ。ずっと続けてこられた方々を尊敬します。

職人の生き方
●西陣織を見た時、時間や歴史を越えて今も息づいている事を感じ、タイムスリップした気持ちになりました。100年以上前の機織り機が今も存在し、若い人が働いている。伝統を継承する力に感動しました。
●伝統技術は全ての事に対し、基礎であると思います。その中で現代的なデザインをする事も必要。
●職人の、ノミの削り後を見た時、その仕事に全てを捧げる愛情に出会えました。工場で大量生産されたお土産物に、少し悲しい気持ちになりました。
●新しい物作りや修復する仕事。若い人が働く姿を目にし、伝統的なものが消えていき、存在する所がないと思っていた考えは消え失せました。
●新しい物と、古い物の共存。それは仕事場を見学して明らかでした。
●京都は伝統的なものがうまく進化し、文化の中心だと思いました。
●来日前に本を読んで勉強をしていましたが、実際に見たことで遥かに越えた経験でした。


発表を終えた学生さん達はリラックスした笑顔で、後に行われた交流会を楽しんでおられました。
帰国後にも大学で報告会が行われるそうです。日本で体験され感じた事が、この先の何かに繋がっていく事を楽しみに思います。