逸 品

中川周士

木工芸職人

 

1968年 京都市生まれ

1992年 京都精華大学美術学部卒業

1992年 父、中川清司(人間国宝 木工芸)に師事

1998年 京都美術工芸展 大賞

2003年 大津市に中川木工芸 比良工房を開く

2010年 ドン・ペリニヨンの公式クーラーを製作

2015年 KIOKE StoolがV&A美術館にコレクション

2016年 KI-OKEスツール パリ装飾美術館 パーマネントコレクション

2017年 ロエベクラフトプライズ ファイナリスト

 

古くから守り継がれてきた伝統工芸を守りつつ、新しいものづくりにも挑戦したい。

 

中川さんの作品からはその真摯な思いがあふれています。

 

まず大切なのが素材選び。中川さんが扱われる材木は樹齢150~250年と古いものも多く、とてもいい材料を使われています。材木には檜、椹、髙野槙、杉、神代杉などそれぞれに固有の香りがあり、向き不向きがあります。作るものとのバランスでその扱う素材も変わります。

 

木の葉シリーズはここ1、2年の新しい作品シリーズ。桶やシャンパンクーラーなどでは丸太の中でもまっすぐな部分しか使えず材木の多くが廃材になってしまう中で、材木を余すことなく生きてきたそのままの作品にしたいという思いから生まれました。中川さん自身も手掛けることで木の持つ本来の表情や形に気づけたとおっしゃる、作品の自然なへこみや湾曲、それらは木がもともと持っていた線なのです。

 

木は呼吸しています。だからこそ木は人が離れると朽ちてしまいます。大事にしまい込んでおくのではなく、用と美あわせ持つこれらの作品を使って、その魅力をお楽しみください。