逸 品

平井秀

陶芸家

 

1990年 京都生まれ

2015年 京都精華大学大学院芸術研究科陶芸専攻修了

京都にて製作、活動

 

花器にはこうでなければならないというくくりがない。だからこそ最大限に自分を出せる。

 

花器中心に制作を続ける平井さん。絵画の塾に通っていた時に、塾の先生に立体のほうが向いていると言われ、ろくろに初めて触れた。華道は大学在学中に友人に誘われてはまった。その話だけを聞くと受け身に聞こえますが、平井さんは現在木工にも興味を示すなど、抵抗なくどんなことにもチャレンジしていく方で、その作品からもその好奇心旺盛で幅の広さと深さを感じます。

 

その昔光がなかったころのように、器は暗がりでほのかな光を吸収し、そして放ってほしい、そんなことを思いながら文様を描いていく。器の形、模様付けの素材に身をゆだねて、手が動くように肩の力を抜いて、感じたままに描いていく。平井さんの作品はそうやって深く深く、眺めるほどに惹かれる作品へと昇華していきます。

 

食器は用途のあるもので、入れられるものが限られ、口当たり持ちやすさなどの制約のようなものが多く感じられ、それを解き放てるのが花器であると平井さんは考えておられます。これからもその好奇心で様々なものにチャレンジする中で幅を広げ、それを花器などの作品で解き放たれることでしょう。私たちも平井さんの新しい作品に次から次へとお会いできることを楽しみにしています。