逸 品

graf lantz 

フェルト作家ユニット

 

ホルガー・グラフ Holger Graf

1972年 ドイツ生まれ

2000年 ダニエルランツと出会う

2002年 ミュンヘン工科大学構造工学博士号取得ののち同年に渡米

2009年 LAにてダニエルランツと共同でグラフランツ設立

 

ダニエル・ランツ Daniel Lantz

1967年 アメリカ生まれ

1987年 来日 10年間を北海道の小樽で過ごす

2000年 ドイツでホルガグラフと出会う

2002年 帰国

2009年 LAにてホルガーグラフと共同でグラフランツ設立

 

故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る。私はこの言葉を日本で学びました。

 

流暢でありながらもどこかたどたどしい日本語でこう熱く話すダニエル・ランツさん。

 

彼のモノ作りに対する姿勢はここ日本で培われたと言います。

彼は22才からの10年間を北海道の小樽で過ごしました。

人の手によって古来より大切に繋いできた日本人の伝統に対する考え方に深い感銘を受けたことや豊かな大自然の中に佇むことで得られた感覚が松尾芭蕉の俳句「古池や蛙飛び込む水の音」の情景そのものだったことなど、その青い目を輝かせながら興奮を隠しきれない様子で語ってくださいました。

 

一方、ホルガ・グラフさんはドイツのバヴァリアで代々フェルト製造に携わる家庭で育ちました。

150年以上の歴史を持つドイツ産のメリノウール・フェルトに幼少の頃から触れてきた彼は自然とフェルトに大きな可能性を見出すようになります。

やがて大学へ進学し構造工学の博士号を取得した彼はのちにダニエルさんと出会い、意気投合した彼らはアメリカのロサンゼルスにてグラフランツを立ち上げることとなります。

ホルガさんの持つ「実用性」や「耐久性」という考え方とドイツの地で育まれた工業的なデザインセンスに、ダニエルさんの日本での生活で培われた感性が合わさり、世界最古の素材を通して鮮やかで現代的な作品を生み出し続けています。