展示・イベント
仏師 宮本我休 個展 ~お釈迦さまができるまで~ – Till we look into his eyes –
- 概要
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作家・主催者 【仏師】宮本我休 【映像】藤元和樹 期間 2018年1月6日~1月27日 時間 9:00~18:00 備考 仏像彫刻、仏具、工芸品
レポート
元々はファッションデザイナーという意外な経歴をお持ちでいらっしゃる、仏師 宮本我休様。
ある時、彩色に触れる機会があり、それがきっかけで絵付けをする彫刻に惹かれていかれます。
「これだ!」と、進むべき道を決断され、25歳から弟子入りされました。
彫刻経験は、小学校の授業で使った程度。道具の持ち方から全てにおいてのゼロスタートは、ひたすら没頭する修行の日々だったそうです。
今回、初の個展をThe Terminal KYOTOで開催頂き、仏像・仏具・工芸品など多数を展示頂きました。
お堂の中で祈りを捧げるも、眠気で今にも合掌が崩れ寝てしまいそうな愛らしい「わらべ地蔵」。
馬の毛を用い、柄の部分はケヤキの木で竹のごとく彫刻された「払師」。
「一輪挿し」は青色のボタンの花。花びらが一枚落ち、やがて花がゴソッと落ちる様は、まるで生死の瞬間。葉の部分は光を当てると葉脈が透き通って見えるほど薄く、このリアルな彫りは新たな挑戦の域との事です。
雲の彫刻「鏡台」にセットされた手鏡は江戸時代の物です。真っ黒な状態だったのを鏡師の山本晃久様により磨き上げられました。モクモクと天に昇っていく雲の隙間から、月/太陽(鏡)が見え隠れしそうな様子です。
「お位牌」は木目が均一な木曽檜で作られています。修行の頃、お位牌から仏具へと段階を踏んでいかれたので、最初のルーツであり、今も大切にしている技術だそうです。
他にも、繊細な彫りで完成された仏様も数体展示頂きました。仏様が身にまとわれる衣のドレープは、デザイナー時代に沢山の生地を携わっておられた我休さんならではの表現が見られます。
修復作業は仏像が完成されてから約200年後に行われるそうです
弟子入りの頃は彫刻を教わるのではなく、修復作業にとりかかる前処理、木の粘着部をお湯で溶かして洗う作業だったそうです。そうやって仏様を分解する事で、仏像作りの仕組みを学ぶことが出来たと、おっしゃっていました。
ファッションは来シーズン毎に作る面白みに対し、仏像は1000年先を見据えて作るスケールの大きさ。
「スタートに遅い事はない」と仰せだった我休さん。これからも挑戦し続けると強く語って下さいました。