展示・イベント
光象展
- 概要
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作家・主催者 【ガラス】佐藤 聡/藤原 真之介【いけばな】植松 賞月斎【紙】嘉戸 浩【陶芸】福森 雅武/福森 道歩/阿久根 尚/大杉康伸/柏木 円/阪本 航/山中恵介【彫刻】岸野 承【造園】北山 浩士【紬織】陣内 章代【京金網】辻 徹【染織】中野 真里【色彩】廣戸 一幸【表具】藤田 幸生 期間 2026年5月22日(金)~5月24日(日) 時間 11:00-18:00(最終日16:00まで)

レポート
光象展のルーツは、青森県津軽地方にあります。リンゴ畑の広がる麓の地で開かれていた集いには、詩人や画家、陶芸家、様々な分野でものづくりに携わる人々が集まり、それぞれが作品を持ち寄って展示し、夜になるとお酒を交わしながら夜通し、芸術や表現について語り合ったそうです。そんな熱量に満ちた交流の場が、光象展の原点だと聞いています。
その精神を受け継がれながら、奈良や滋賀での開催を経て、現在はTHE TERMINAL KYOTOで定期的に開催されています。
会場には、陶磁、彫刻、紙造形、京金網、ガラス、絵画、友禅、紬織、染色、彩色、いけばな、造園、表具など、多彩なジャンルの作品が並び、日本各地で活躍する第一線の作家から、今年独立したばかりの若手作家までが集うことも、この展覧会の特徴です。
また光象展では、作家たちが普段の制作とは異なることに挑戦し、実験的な試みをお披露目されるので、ここでしか見ることのできない作品は、ファンにとっても特別な出会いの場だと思います。
ほとんどの作家が在朗し、直接お話がきける魅力的な三日間は、町家の雰囲気もとても活気に満ちた1日に包まれます。

今回、二階和室で展示を行った陶芸家の福森道歩さんと、紙を用いた作品を制作する嘉戸浩さん。
お二人は同じ部屋で展示をすることが決まった時から「この空間で何ができるだろう」と考えながら制作を進めてこられました。
道歩さんは、嘉戸さんの柔らかいタッチの作品の雰囲気に寄り添うように、初めて野焼きに挑戦。
原始的な焼成方法によって生まれた作品は、普段の作風とは違う、素朴な色味や今までにない感覚があったと仰っています。

一方の嘉戸さんは陶芸の土っぽさに憧れを持ち「土の表情って焼き物、独特じゃないですか。このテクスチャーは紙ではなかなかもてない。ザラッとした感じを出してみたかった」と。
いつもより顔料の量を増やして粉っぽくなることを強調した作品を、紙で表現されました。
お互いの素材に目を向け、影響を受けながら生まれた試みだからこそ、空間全体にも自然な一体感を生み出していたのだと思います。

続いては陶芸家 柏木円さん。
今回の円さんは、小っちゃいシリーズが沢山並びましたね!可愛かったです。
でも逆に小さいからこそ、すごく難しいそうだと思いながら拝見してました。
そうなんです、豆皿あるでしょ。豆皿のサイズが基本で、あれは出来るんですよ。
あれよりも小さくなると段々、難しくなる。
しかも台湾茶とか中国茶サイズの、すごく繊細なものでした。
今回初めてやから、ちょっとまだ厚みあるしね。
コテが入らないから、指だけでやってるの。ちょっとまだ下手。もっと作ればもっと上手くなれる。
でも今回どうして、小さいシリーズにチャレンジされようと?
手の腱鞘炎。大きいお皿とかは固い土じゃないと作れないんですけど、菊練りで腱鞘炎がひどくて全然治らなくて。でも小さいサイズの物やと柔らかい土でも出来るしね。
大きいお皿やとやっぱり6kg、8kgくらいの固まりを練らないといけないけど、小さい2kgくらいの固まりでも出来るから。
だから腱鞘炎もまだ、だましだまし。湿布貼りながら寝てる。
そこが発端だったんですね。
そう。だから小さいのは腱鞘炎がなかなか治らないのと、あとは老眼が本当に進んできててー(笑)!
でも今日が一番若いから、出来るだけ細い線とか、細い鎬を削ることも、まだ見えて出来るうちにやる。
今回は絶対に小さい物。そして豆片口をずっと作ってみたいと思ってたの。
可愛いのが出来たらいいなと思ってたから、可愛いのができて良かった。

普段とは違うサイズを作ってみて、どんな点が難しかったですか?
やっぱ難しい。やっぱりねぇ、コテがないの。私の仕事はコテが無かったらできひん。
コテ引いて、コテでピシっとして。そのコテが小さくて入らないの。コテで揃うから。
指だけやとやっぱり同じ形を揃えるのがなかなか。慣れてきたらある程度は決まってくるけど、初めはどの様に指をコテのようにしたら同じようにひけるか。これが難しかった!コテが入らないからね。
それこそ本当にチャレンジでしたね
そうやねー。今回の光象展のテーマ、父(陶芸家 福森雅武)が決めた「静中動・動中静」があって、それは「出来ない時に出来ることを」
私は腱鞘炎で大きい物が出来ないときに、出来る動。出来ることは何かを考えて。
自分に向き合って、今できる事はなにか?
小さいものやったらいける。なんとか腱鞘炎をごまかして出来る!そんな感じで。
光象展のみんながそのテーマを意識して物を作ろうね。て言ってて。それでみんなでやったの。
私の場合は、出来ないこをを、でも何が出来るかを考えてやる。
周りは安いとか言ってくれるけど、そんなことないのよー。私これ1日に200枚ひけるねん、だから安いと思わないんやけどね。
私、陶器初めて30年たつの。これからは目も見えづらくなって同じ物が出来なくなるかもやけど、なんと言うんやろ…。絵とかでごまかすじゃなくて、職人としてのプライドできちっと同じ物を同じだけ作る。それ!

小さな器の中には可愛らしさだけでなく、腱鞘炎や老眼と向き合いながらも「今できることは何か」を考え続ける円さんの姿がありました。
一番印象に残ったのは「職人として、きちっと同じものを同じだけ作る」という言葉。
明るく笑いながら話される円さんですが、その言葉には30年以上ものづくりを続けてこられた誇りが感じられました。
光象展で作家同士が再会すると、ご飯やプライベートの話ではなく、ものづくりについてずっと語り合ってるそうです。
刺激を受け合う仲間の環境が、とても印象的です。
次回は2027年11月頃の予定ですので、お楽しみになさって下さい。


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