展示・イベント

工芸的生活のすすめ -vol,0-

概要
作家・主催者 【木工】中川 周士・戸田肇【金網】辻 徹【朝日焼】松林 豊斎 
期間 2021年4月18日(日)~2021年5月5日(水)
時間 9:00~18:00

レポート

covid-19の影響により、規模の縮小に加え、計画していた小さなアイデアのうちの半数も実施できなかった展示となりました。

『工芸作品を身近に。』という思いから国内の有志が集まり『工芸的生活のすすめ』と題した展示の打合せが始まったのは3月初旬。
多忙を極める先生方が集まれる機会は少なく、ビデオMTGとメッセージツールを利用したやりとりで丁寧にイメージを膨らませてきたものの、
展示開始まもなくの4月25日に3度目の緊急事態宣言が発令されると、急速にその具体化したイメージが萎んでいく感覚を覚えました。

いきものの根源である生活という営みは常に脆く、外的要因により破壊や変容を求められてきた歴史があります。
しかし、目の前にあるぬくもりのある桶や陶磁器の存在は、一本の切れそうな細い糸となってでも誰かが繋いできたという事実であり、
これに触れられている私たちはそのことに感謝しなければなりません。

冒頭の通り私たちはほとんどのアイデアを実施できませんでしたが、中止はせずに来場人数を制限するなどをして、可能な限り安心して手に触れていただける機会を作りました。
工芸品そのものではなく、工芸品のある生活を伝えることにのみ注力をしました。
おかげさまで少なくはありましたが、それでもお越しいただいたそれぞれの方々との対話には確かな手応えを感じています。
こうして展示は無事に終わりを迎えることとなります。

作る人と伝える人があればきっとこの状況だって乗り越えられるはず。
仮にその糸が途切れる日が来るとしても思想を引き継いだ有志が同じように新しい糸を紡いでくれることを信じています。


■The Terminal KYOTOの展示作品

■民泊:HOUSE THE TERMINAL 烏丸紫明1の展示作品