展示・イベント
清水万佐年・後関裕士・デラックラーセン3人展
―日常に器がもたらす幸せをー
その器を手に取った瞬間に、自分だったら何を盛り付けるのだろう?
そうイメージが掻き立てられる器との出会いは尊く特別なもの。
その器が家にあるだけで、日常のちょっとした時間が特別になる、そんな幸せをより多くの人に届けたい。そんな思いで器を中心とした今回の3人展の開催が決定しました。
ぜひ今回の展示会でお気に入りの作品を見つけてください。
皆様のご来廊お待ちしております。
会期:12月3日(日)~17日(日)
営業時間: 9時~18時
場所: The Termianl Kyoto
住所:〒 600-8445 京都市下京区新町通仏光寺下ル岩戸山町424番地
※12月2日(土)に前夜祭としてディナーパーティーを18時30分より開催致します。
料理を提供する器は全てこの前夜祭の為に作られており、提供されたお皿は全て15%OFFでお買い求めいただけます。
20名樣限定の完全予約制です。下記のリンクまたはQRコードからチケットをご購入ください。
“Vessels That Bring Daily Happiness ”
Ceramic Exhibition
December 3rd – 17th, 2023
What would you serve on this plate?
Finding a vessel that inspires imagination is a precious and special thing.
We want to bring this happiness to as many people as possible. With this in mind, we have decided to hold a three-person exhibition focusing on tableware.
The featured ceramic artists are Masatoshi Shimizu from Tamba, Hiroshi Goseki from Bizen, and Derek Larsen.
In addition, the tableware used in the course meal will be available for purchase on the spot at a 15% discount.
Pre-Opening Dinner party
December 2nd from 18:30~
Limited to the first 20 people
Please purchase tickets from the link below
出演作家のご紹介
独自の作風で土と釉薬を巧みにあやつる丹波作家
- 1984年 京都府丹波立杭に生まれる
- 2008年 京都府立陶工高等技術専門学校卒業 京都 市川博一氏に師事
- 2010年 丹波立杭に戻る
- >2011年 高島屋京都店美術工芸サロンにて初個展
- 2015年 大丸心斎橋店 現代陶芸サロン桃青
- >2018年 大丸神戸店アートギャラリー -受賞
- 2019年 第36回田部美術館「茶の湯の造形展」奨励賞
- 2023年 高島屋京都店美術工芸サロンにて個展
確実な技術力で精巧な作品をつくる備前作家
- 1988年 千葉県に生まれる
- 2013年 東北芸術工科大学芸術学部美術科工芸コース卒業
- 2013年 岡山県備前市にて伊勢崎淳に師事
- 2017年 田部茶の湯の造形展入選
- 2017年千葉県にて独立
- 2018年 茨城県常陸大宮市に工房を移す
- 2018年アートサロン山木にて個展
- 2021年日本橋三越本店 美術工芸サロンにて個展
Derek Larsen逸脱したアイディア溢れる作品をつくる焼き締め作家
- 1975年 米国カンザスで生まれ
- 1998年 カンザスで最初の穴窯をつくる
- 2002年 オーストラリアでダニエルラファティのアシスタントとし穴窯をつくる
- 2003年 オーストラリアサザンクロス大学にて、穴窯修士号取得
- 2004年 カンザス ジョンソンカントリー短期大学 陶磁器専門教授になる
- 2006年 中央ミズーリ大学 芸術専門教授になる
- 2010年 滋賀県立陶芸の森 アーティスト・イン・レジデンスとして日本に滞在
- 2011年 愛知県柿平に穴窯をつくる
- 2012年 第5回現代茶陶展入選(土岐市)落石窯(愛知県柿平)
- 2017年 黒田陶苑にて個展
- 現在、京都にて作陶
シェフ紹介
山崎翔也
- 2013年 広島県酔心調理製菓専門学校 卒業
- 2013年 和食店勤務
- 2015年 京都の日本食店勤務
- 2019年 まんざら亭
- 2023年 まんざら亭NISHIKI 店長に就任
いつも店で使う器は、本を読んだり、自分でイメージをつけ、スタッフとも相談をしながら拘りを持って選んできました。今回は自分のイメージを伝えて作ってもらった器に料理を盛ることができとても嬉しく思います。作り手や作家さんの思いを知ったうえで見る器はまた違って見えるので一体感が出るように料理を提供いたします。
日本酒と合う料理になっておりますので皆様ぜひお楽しみください。
独自の作風で土と釉薬を巧みにあやつる丹波作家
- 1984年 京都府丹波立杭に生まれる
- 2008年 京都府立陶工高等技術専門学校卒業 京都 市川博一氏に師事
- 2010年 丹波立杭に戻る
- 2011年 高島屋京都店美術工芸サロンにて初個展
- 2015年 大丸心斎橋店 現代陶芸サロン桃青
- 2018年 大丸神戸店アートギャラリー -受賞
- 2019年 第36回田部美術館「茶の湯の造形展」奨励賞
- 2023年 高島屋京都店美術工芸サロンにて個展
確実な技術力で精巧な作品をつくる備前作家
- 1988年 千葉県に生まれる
- 2013年 東北芸術工科大学芸術学部美術科工芸コース卒業
- 2013年 岡山県備前市にて伊勢崎淳に師事
- 2017年 田部茶の湯の造形展入選
- 2017年千葉県にて独立
- 2018年 茨城県常陸大宮市に工房を移す
- 2018年アートサロン山木にて個展
- 2021年日本橋三越本店 美術工芸サロンにて個展
Derek Larsen
逸脱したアイディア溢れる作品をつくる焼き締め作家
- 1975年 米国カンザスで生まれ
- 1998年 カンザスで最初の穴窯をつくる
- 2002年 オーストラリアでダニエルラファティのアシスタントとし穴窯をつくる
- 2003年 オーストラリアサザンクロス大学にて、穴窯修士号取得
- 2004年 カンザス ジョンソンカントリー短期大学 陶磁器専門教授になる
- 2006年 中央ミズーリ大学 芸術専門教授になる
- 2010年 滋賀県立陶芸の森 アーティスト・イン・レジデンスとして日本に滞在
- 2011年 愛知県柿平に穴窯をつくる
- 2012年 第5回現代茶陶展入選(土岐市)落石窯(愛知県柿平)
- 2017年 黒田陶苑にて個展
- 現在、京都にて作陶
山崎翔也
- 2013年 広島県酔心調理製菓専門学校 卒業
- 2013年 和食店勤務
- 2015年 京都の日本食店勤務
- 2019年 まんざら亭
- 2023年 まんざら亭NISHIKI 店長に就任
いつも店で使う器は、本を読んだり、自分でイメージをつけ、スタッフとも相談をしながら拘りを持って選んできました。今回は自分のイメージを伝えて作ってもらった器に料理を盛ることができとても嬉しく思います。作り手や作家さんの思いを知ったうえで見る器はまた違って見えるので一体感が出るように料理を提供いたします。
日本酒と合う料理になっておりますので皆様ぜひお楽しみください。
レポート
兵庫県 丹波焼、清水万佐年さん。
岡山県で備前焼を学び、現在は茨城県に工房を持つ後関裕士さん。
京都の山奥で作陶、焼き締め作家デラック・ラーセンさん。
活動場所が違う、焼き締め作家の3人展を開催中です。
この展示の企画者、山根由貴さんが各作家さんにインタビューされた記事が、作家プロフィールの「インタビュー記事はこちら」からお読み頂けます。
作家さんについてとても詳しく書かれているので、まずは是非ご一読下さいませ。
12月2日は展示のプレオープンとして、まんざら亭NISHIKI 店長 山崎翔也シェフを迎えたディナーイベントが18:30から開かれました。
作家さんの器でお料理を召し上がって頂くコンセプトの下、
山崎シェフと、山根さんでメニューの打ち合わせや、お料理と器のイメージを作家さんに伝え、イベントに向けて作られた器が数多く用意されました。
9品のコース、料理が器に盛りつけられると、器に命が吹き込まれた様により一層、器の魅力を引き立てます。
お料理に合う日本酒も用意され、もちろん徳利や片口、ぐい吞みの酒器も作家3人様のもの。
お客様は実際に器の使い心地も体験して頂け、各テーブルをまわる作家様と会話をして交流ある時間となりました。
ディナーで使用したお皿は、このイベントにご参加された方の特権として15%引きでご購入頂ける、何とも嬉しいサプライズ付き。
(肝心な料理の写真が撮れなく、ご紹介が出来ず本当に申し訳ないです…)
展示の搬入時は、作家さん同士が顔を合わせ「初めまして」と挨拶をされていたので、
キュレーターの山根さんに、いくつかお伺いさせて頂きました。
なぜ、この3名様に声をかけられたんですか?
私自身、器が大好きで器をメインにしたかったのと、焼き締めでまとめたかったんです。
備前焼き。信楽焼き・丹波焼き。
焼き締めを代表する3人の作家さんなので、焼き締めの中でも種類がある事を紹介したくて。
なるほど。では山根さん的に、各作家さんの魅力的な所は?
■後関裕士さん ↑
備前焼きなので信楽焼より温度が低く、1200℃くらいで焼けるので若干、土が柔らかいので、作品は軽くなると思います。
人間国宝の伊勢崎淳さんという凄い先生に師事し、まだお若いので、これからどんどん伸びてく段階の作家さんです。
この白い部分と、線のような模様は、
火が当たらない様にカバーをした部分と、お皿の上に藁を乗せて窯の中に一緒に入れて焼いた事で模様を付けていらっしゃいます。
お皿のセンスも好きですね。
山根さんが書かれたインタビュー記事を読むと、後関さんは茶碗、茶器をメインに作っておられて、お皿はチャレンジの様に受け止めましたが。
お皿はあまり作られてなかったです。お茶碗・茶器とかがメインだったので。
新しいチャレンジだと思います。
■デラック・ラーセンさん ↑
彼の作品が本当に好きで。
彼の葉っぱ皿を見ると、料理を盛るイメージが湧いて。
何人かで展示をされている時に、あえて作家名を見ずに作品を見ていたんです。
あ、これ好きだな。と手にとるのがデレックさんで。
他の展示場所でも同じように見て、素敵なお皿だと思ったのがデレックさんの器。そういう事が4回ほど続いたんです。
料理を盛るイメージがすごく湧く作品作りをされる方だな。と思いました。
それで彼の所に行って、今回の企画のお話をさせて頂きました。
彼は茶器じゃなくて、お皿でサーブをしたいと言っていたので、2日のディナーイベントにもぴったりだと思って。
作品も好きだし、ハングリー精神があられる方だと思っています。
好きな物を作るのに拘っていて、自分は料理やお酒が好きだから、それをサーブ出来る物を作りたい。
そこが私は好きですね。
■清水万佐年さん ↑
お皿に磁土を混ぜてるので結構シャープに仕上がって、スッとまとまってる。
デレックさんは信楽の土(京都の土も少し混ぜてます)結構重たく、ぼってりしてますが、
清水さんのお皿は料理人の方から凄く評判が良くて。
磁土を入れてる分、もろくなってない。強度がかなり30%・40%増すので、お料理するには凄く向いていると思います。
清水さんの花器も結構好きで。お花もご自身で生けられるので、作品だけで完璧にせず、その奥まで見てらっしゃる。使い手に寄り添っていて。
記事では7割くらいの仕上げと書いてありましたね。
その感覚が凄く好きで、
清水さんの盛り付けた時の映え方が、すごく流石だな。て思うんです。
そこ迄考えて、一つ先を考えて。そういのが素敵で凄いと思います。
今回、備前焼の後関さんにお時間を頂戴してお話を伺いました。
作り方とかは山根さんがしっかり聞いて下さっているので、昨日のディナーイベントの事からお伺いさせて下さい。
お客様の座っていらっしゃるテーブルで一緒にお話されて、初めてだったと仰ってたので、その印象や、今後の展望、お気持ちが変わった事など、この展示がきっかけになった事があればお聞かせ頂けませんか。
今回初めての試みとか新作が多いので、普段あんまり食器に手が回っていなくて避けてたと言ったらあれなんですけど、手が回っていなかったところに対して今回テーマとして頂いたので、ちゃんと向き合う事ができました。
それで用途のあるものと言うか、普段使いのものを作ることが出来たかなと。
今まで抹茶椀メインでされてたのは、抹茶椀がお好きだったからですか?
もちろん好きだったし、あとはシンプルにそれを求められる仕事が多かったんです。
どういった所からオファーが?
ギャラリーですね。基本的に食器よりも茶陶とかそういうものを扱っている所の発表が多かったので。そこに食器を持って行っても違うかなと。
今回ようやっと集中する機会を戴けました。
食器自体は作りたいと思ってらっしゃったんですね。今回の企画がいいタイミングになった感じですね。
そうですね。お話を聞いた時はどんなものか全然わからず、最終的に聞くと食器がメインで。
自分で大丈夫かな?と正直思ったんですけど、せっかくのチャンスなのでやってみたいなと思って。
なので今回、目の前でお客さんに使ってもらうっていうのも初めてだし、初めてのことばかりでした。
料理に向けての器づくり。
今回シェフの方と、やりとりとか意見の交流はあったんですか?
山根さんを通してだったので、シェフと直接ではないですが、ある程度サイズ感とか事前に指定があったので、その中でバリエーションを作っていった感じです。
なるほど。使いやすいサイズ感が多いなという印象でした。
その辺は僕は素人なので、シェフとの打ち合わをされた山根さんが、丸いお皿とかだったら18cmくらいとか、そこまで出してもらってたんで、それくらいが使いやすいんだな。て最初からヒント頂けた感じですね。
普通なら、たくさん作って到達するものだと思うので。
今回手応えのあったものは、これからも作っていこうと思っています。
ちなみにどれを?
このプレートなんかは人気だったような
私もこれすごく好きです。この紐のような感じってどうやって出てるんですか?
これはここにまず藁を敷くんですよ。
藁が赤く出るので、藁を置いてから他の作品を例えばこう置くと藁がしっかり密着して、さらに火からマスキングされるのでそこの色が薄くなるんです。
これは備前焼特有の焼き方ですね。火襷(ひだすき)っていう伝統技法なんですけど、ここに置くのを、ぼたもちとか言って、うちはそれ専用の陶板を置いてるんですけど。
これは手捻りなんですか?
これは板を作ってその板に最後フチだけ、ろくろでピューっと付けてます。
なのでどちらかと言うと、たたら作りですね。
このお皿は全然テイストが違うなってびっくりしました。
そうですね、今回いろんなバリエーションが欲しいって言われたんで、メインのお皿も3種類準備して、焼けもいろいろ取ったつもりなんです。
なのでサイズは指定された18㎝にしてるんですけど。
木の皮ですか?
そうです、本物の木の木目をトレースしてというか転写して。
これもうちの先生が得意にしてた技法の一つで、テクスチャにしてみました。
でもこれ昨日は使ってもらってなかったですね(笑)
ちょっとお肉にはうるさすぎたのかもですね。でも楽しかったので今後も作っていこうかなと。
作品名:蒼変黒片口/蒼変黒酒呑/蒼変黒盃
私も見てみたいです。
ちなみに黒のシリーズはなんで読むんですか?
「そうへん」って読んでますね。
自分が付けた名前なんですけど、黒備前をイメージして先生がやっていた泥漿を塗って、伝承した感じでやってみました。
結構、黒というより青っぽくなる体質があって、うちの窯の場合なのか分からないですけど、これは黒じゃないなと思って、蒼く変化した黒っていう意味で蒼変黒茶碗ってしてますね。
なので「そうへん」ってよんだり「そうこく」って読んだり。
正式には「そうへんくろ」茶碗。片口とか。初めて作ったシリーズものです。
あの黒と蒼の色味っていうのが、なかなか見かけなくて、かっこいいと思ってました。
自分でも何でそうなってるのか分からないんです。窯ごとに雰囲気も全然違ったりするので。
その時々の窯の焼けを自分で受け入れて楽しむしかない。よく言えばバリエーション、悪く言えば安定しないんですよね。
でも穴窯の良さですよね。
備前の土っていうのはご自身で取られてるんですか?
土は未だに原土を掘っている、スミカワさんって人がいるんですけど、スミカワさんが土を掘った時に当時10トン20トンくらいは自分が買い付けました。
それを茨城に引っ越すタイミングで何回も運んで、最近やっと20トン運び終わったところです。
じゃぁ、これからは茶器、酒器、食器も増えていきますね。
より楽しく、より忙しくなると思います。
でも良いものは作ったらいずれ売れていくので、その時売れなくてもあまり気にせず、沢山ためといて、色んな人に伝えられるかなと。
昨日もお皿たちが沢山、旅立ちましたし。きっと皆さんご自宅で大事に使って下さってると思います。
有難うございます(笑)
最後にこれは伝えておきたい事とかありますか?
また呼んでください!
もちろんです!
活動場所が違う3人の焼き締め作家。1人1人の個性が作品に現われ、見て頂くだけでも焼き締めの面白さを感じて頂けると思います。
手に取り、手に収まる心地よさや、器を家にお迎えした時の想像力。
器って楽しいですね。
皆さまのお越しをお待ちしております。